リウカ

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アイヌ語で自然かんさつ図鑑

カッコウ

アイヌ語 / 語源

  • 【アイヌ語名】カㇰコㇰ/kakkok【日本語名】カッコウ

    カㇰコㇰ 鳴き声に由来

アイヌ文化

カッコウはその鳴き声でさまざまなことを教えてくれるといわれ、生活に深く関わる鳥だったようです。

伝承

「家の近くの木や物干しなどに留まると悪い知らせが来る」、「夜に鳴き声を聞いたら聞いた人や声のした方角の家で不幸なことがある」、「玄関先に来て鳴いたらその家では大凶事がある」などといわれていました(帯広・本別)。
また、カッコウが畑に降りて鳴く年は、流行病があったり、大水があるなどの凶事があるとわれました(吉田・音更)。

生活

カッコウが鳴くとイナキビやアワなどの穀物を蒔いたり、マスが川に上る時期なので漁の準備を始めたといいます。(更科)このようにカッコウは季節を教えてくれる鳥でもありました。
十勝では、どの支流に魚がいるか教えてくれる鳥はカッコウであるといいます。(『アイヌ伝統音楽』)

自然観察

世界各地で鳴き声に由来する名前で呼ばるカッコウ科の鳥類で、学名のCuculus canorus は「カッコウ よい声の」という意味です。
草原に生息するハトくらいの鳥で、他の鳥類の巣に卵を産み付け育てさせる「託卵」という習性を持ちます。
カッコウが生息するためには託卵先の鳥類が多くなければなりません。このため、カッコウの生息は自然が健全な証拠と考えていいでしょう。同じ仲間で似た習性を持つジュウイチ・ツツドリは森林に生息します。
一般的に、カッコウが鳴いた日からあとは霜が降らないとされ、作物の植え付けなど、農作業の始まりを知らせる鳥でもあります。