Obihiro Centennial City Museum

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イタオマチㇷ゚(itaomacip)
[板つづり舟]

イタオマチㇷ゚

板つづり(ぶね)丸木舟(まるきぶね)に板を(ひも)でつづりつけて側面を高くした(ふね)で、おもに外洋船として海漁や交易(こうえき)に用いられた。アイヌ民族は、毛皮や魚介類(ぎょかいるい)、ワシ羽、アットゥㇱ(attus:樹皮衣(じゅひい))などを持って本州や大陸に交易(こうえき)に出かけ、米や酒、鉄製品(てつせいひん)木綿(もめん)絹織物(きぬおりもの)漆器(しっき)煙草(たばこ)、ガラス玉などを手に入れた。
1823(文政(ぶんせい)6)年に村上貞助(むらかみていすけ)がまとめた『蝦夷嶋図説(えぞしまずせつ)蝦夷生計図説(えぞせいけいずせつ))』には、広尾(ひろお)付近を(さかい)に東西で(ふね)の形がちがうことが記されており、十勝でも板つづり(ぶね)が利用されたことがわかる。