Obihiro Centennial City Museum

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漆器

シントコ(行器:ほかい)
エチウㇱ(湯桶 / 左)、プタウンパッチ(ふた付き鉢 / 右)

漆器(しっき)類は貴重(きちょう)宝物(たからもの)であり、おもに儀式(ぎしき)で用いる。行器(ほかい)は酒を入れる器、(はち)供物(くもつ)を入れる器、片口(かたくち)湯桶(ゆとう)は酒を注ぐ器、(わん)と天目台は酒をカムイ(kamuy:神)にささげる道具として使う。おもに交易(こうえき)や労働などで和人から手に入れた。

アイヌ語用例

アイヌ語

テエタ(中略)チヨキ コㇿ ワ シサㇺ コタン ネ ウイマㇺ クス パイェ。(中略)シントコ エネ ネヤッカイ パッチ エネ ネヤッカイ あの エトゥニㇷ゚ エネ ネヤッカイ オピッタ 漆塗ったもの アナㇰ シサㇺ カㇻ ペ。

teeta(中略)ciyoki kor wa sisam kotan ne uymam kusu paye.(中略)sintoko ene neyakkay patci ene neyakkay あの etunip ene neyakkay opitta 漆塗ったもの anak sisam kar pe.

その昔(中略)物交品を持って和人の村へ交易に行ったんだと。(中略)行器でも鉢型容器でも片口(や湯汁)でもみんな漆塗ったものは和人の作ったものさ。
【本別・沢井トメノ氏『アイヌのくらしと言葉 3』 p. 73 - 74】